弁護士コラム

第99回

『借入(借金)がある方には退職代行がおすすめな理由』について

公開日:2025年3月31日

退職

弁護士法人川越みずほ法律会計の弁護士の清水隆久と申します。

退職代行を専門的にはじめて早いもので、数年が経ちました。

その間、数多くの退職代行をした経験から「これは」と思うことをコラムにします。

コラム第99回は『借入(借金)がある方には退職代行がおすすめな理由』についてコラムにします。

目次

1.会社からの借入金(借金)について

建設業者や運送業や原発関係の仕事などでは会社からお金を借りているケースもあります。お金を貸すことで退職をしたいとは言えず、また、退職をしたくとも借りているお金を返すように会社は言いやすいため、人手不足を補う有効な方法として、積極的に従業員に対して会社はお金を貸すケースが多くあります。

次に、借入している方からのご質問で、入社時に借りたお金は返さなくて良いのではないか内容をいただきますが、借入した方お金は返す義務がありますので、返済義務があります。

では、退職時に一括返済する規定は無効となりますでしょうか?
実は、法律上、退職時に一括返済させる規定は特に禁止されていないので、無効にはなりません。

2.借入金(借金)の分割交渉について

しなかしながら、一括返済できるぐらいであれば、そもそも借入しませんという意見があるぐらい、一括での返済については、分割払いの交渉をする依頼を受けるケースが多くあります。

では、会社側は分割払いの交渉については、拒否することもできますが、一括返済できる資力がない場合には、仮に裁判したとしても、回収する財産をおさえることは難しくなります。

したがって、事実上、一括の支払いが困難であれば、会社側は分割に応じざるを得ません。このような経緯から退職代行時の借入金の分割交渉を私の方で行っています。

3.退職とは別問題

次に、借入金があった場合には、退職できなくなりますか?というご質問を受けますが、借入金の返済と退職は法律上、まったくの別問題ですので、退職ができます。

最後に、労働基準法第17条や第24条で借入金と給料の相殺は禁止されていますので、相殺後、支払いをしてこない場合には、明確に労基法に違反します。

・参考条文

第17条
(前借金相殺の禁止)

使用者は、前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と賃金を相殺してはならない。

第24条
(賃金の支払)

賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。

4.まとめ

会社から借金があるケースでは、上下関係で出来てしまい、退職したくとも、自分自身で退職の意思が伝えられません。また、会社としては貸してやっているという意識もあり、パワハラなどのハラスメントを行う傾向があり、そのハラスメントが退職の自由意思を阻害しています。

そのことから借入金の分割交渉と退職代行を依頼するメリットがあります。借金があることで、給料水準も低いものとなっており、借入金の返済が難しいケースが多くあります。私の方では、退職代行することで、給与水準の高い他の転職先への就職をスムーズにし、いち早くの完済をサポートします。

また、借金の額が多い場合には、自己破産のアドバイスをする場合もあります。
借入金や借金で退職できない方は遠慮なく私までご相談ください。力になります。

・関連コラム

第32回『借入金と退職代行』について

第34回『前借りと退職代行』について

弁護士法人川越みずほ法律会計の紹介

いち早く退職代行を手掛け、今までも多数の相談及び解決事例があります。
今回、その中でもご質問が多いご相談事項をコラム形式でまとめました。

この記事の執筆者

弁護士清水 隆久

弁護士法人川越みずほ法律会計 代表弁護士

埼玉県川越市出身

城西大学付属川越高校卒業、中央大学法学部法律学科卒業、ベンチャー企業経営、労働保険事務組合の理事、社会保険労務士事務所の代表を経て、予備試験合格、司法試験合格、司法修習終了後、弁護士法人川越みずほ法律会計を設立、同弁護士法人代表に就任。労務・税務・法律・経営の観点から、企業法務に関わる傍ら、東から西へと全国を飛び回る。社会保険労務士時代に得た労働社会保険諸法令の細かな知識を活かし、かゆい所に手が届く退職代行サービスを目指して日々奮闘中。2019年に携わった労働事件(労働者側・使用者側の両方。労働審判を含む)は、60件以上となる。