弁護士コラム

第26回

『陸士長、1等陸士、2等陸士の退職代行』について

公開日:2024年10月1日

退職

弁護士法人川越みずほ法律会計の弁護士の清水隆久と申します。
退職代行をはじめて早いもので、数年が経ちました。その間、数多くの退職代行をした経験から、「これは」と思うことをコラムにします。
毎週1コラムは更新していきます。

コラム第26回は、『陸士長、1等陸士、2等陸士の退職代行』について書きたいと思います。
例年9月、10月、11月は演習が多くなるため、他の月より自衛隊の退職代行の依頼は減ります。
また、演習が多くなるためか、退職の承認にも他の月よりも時間がかかります。

余談は置いておきまして、本題に入ります。

自衛隊には階級があり、全部で16階級定められています。
「幹部」は、3尉以上の自衛官のことで、部隊の骨幹として、強い責任感と実行力で部隊を指揮する立場にあり、卓越したリーダーシップが必要とされます。「曹」は、専門分野における技能を有するほか、士を直接指導し、幹部を補佐する立場にある者。「士」は、曹などの指揮下で各種の任務を直接遂行する立場にある者のこと。曹と士の人数を合計すると、自衛官の定員の約8割に及びます。

では、今回は、「陸士長、1等陸士、2等陸士」の退職代行についてコラムにします。
「陸士長、1等陸士、2等陸士」の退職代行」の費用は、55,000円で追加費用はございません。

目次

1.陸士長、1等陸士、2等陸士の退職代行での特徴

陸士長、1等陸士、2等陸士の退職代行での特徴としては、営内に住まいがあるということです。したがって、営内者であれば、駐屯地内にいるため、仮に、退職代行をした場合でも、そのまま外出許可がされず、営内に退職までいることがあります。

しかしながら、退職代行として、弁護士から所属部隊に退職の通知をした後でも引き続き営内にあることで、上官等が退職に対して圧力を加えてくることが多々あります。場合によっては、「弁護士の委任解除を無理やり同意させられること」も沢山あります。その場で、私に対して、委任解除の電話を強制することも多くあります。しゃべり方はぎこちないし、言葉使いもおかしいのですぐにわかります。

そこで、私が一番おすすめする退職代行は、外出中に退職代行して、そのまま営内に帰らないようにするパターンです。

最近では、この外出中に退職代行することがかなり多いです。外出許可は、部隊によって違うものの決まったその時間までに帰隊しないとならないようになっていますが、その帰隊をしなくて良いように弁護士から交渉します。また、今までのところ脱柵で懲戒免職になったケースはありません。一部、自衛隊内からは退職代行を使った場合には、懲戒免職されると指導されるということも聞いておりますが、そんなことはなく、ご自身で退職したことと変わりはありません。

さらに、捜索の話もご質問でいただきますが、今までの私の行った弁護士による退職代行の場合で「捜索」があったケースもありません。

2.委任の範囲

次に、委任の範囲についてのご質問も多いため、回答します。
「陸士長、1等陸士、2等陸士」の退職代行の委任の範囲については、以下の通りとなります。その他については、応相談といたします。

・退職の手続き
・外出許可延長手続き
・退職願の書式回収
・保険関係については、書式の郵送依頼をして郵送
(場合によっては、近場の希望の駐屯地まで行くこともあります)
・辞令は郵送で対応
・その他

3.陸士長、1等陸士、2等陸士の解決事例

参考までに「陸士長、1等陸士、2等陸士」の解決事例を載せます。ご参考にしてください。

解決事例1

外出許可中に退職代行したケース

今の部隊に移動してきて、1ヶ月が経ちましたが、精神的に限界であったので、自衛隊に退職の申し出をしたところ、来年の3月末までは、退職できないと言われた。年次休暇は16日程度あるので、年次休暇を消化して退職したい。

→所属部隊に連絡して、受任通知書を送付、外出許可の延長について交渉し、許可を貰い、そのまま退職となりました。

解決事例2

営内にお住まいの状況での退職代行したケース

近々、演習があるものの怪我のために参加するのが難しいため、自衛隊に退職を伝えるものの拒否されたため、弁護士に依頼。

→演習訓練などについては、交渉事項ではないものの、退職を優先してもらえたので、結果的には、スムーズに退職となりました。

解決事例3

服務規律違反で処分待ちとなっているため退職ができないケース

服務規律違反のため、処分待ちとなっているため、退職ができない。
近々、大学にも入学し、勉強を開始したいのに、入学できる見通しがないため、弁護士に依頼。

→懲戒処分待ちであったことから、処分を早める交渉をし、2ヶ月もかからないで、処分が出たため、退職自体は、スムーズでありました。

4.まとめ

現在のところ、営内にお住まいの状態で退職代行したケースでは、上官から、弁護士との委任契約を解除するように圧力を受けるケースが多発しているので、外出許可中に退職代行するのをおすすめします。

弁護士法人川越みずほ法律会計の紹介

いち早く退職代行を手掛け、今までも多数の相談及び解決事例があります。
今回、その中でもご質問が多いご相談事項をコラム形式でまとめました。

この記事の執筆者

弁護士清水 隆久

弁護士法人川越みずほ法律会計 代表弁護士

埼玉県川越市出身

城西大学付属川越高校卒業、中央大学法学部法律学科卒業、ベンチャー企業経営、労働保険事務組合の理事、社会保険労務士事務所の代表を経て、予備試験合格、司法試験合格、司法修習終了後、弁護士法人川越みずほ法律会計を設立、同弁護士法人代表に就任。労務・税務・法律・経営の観点から、企業法務に関わる傍ら、東から西へと全国を飛び回る。社会保険労務士時代に得た労働社会保険諸法令の細かな知識を活かし、かゆい所に手が届く退職代行サービスを目指して日々奮闘中。2019年に携わった労働事件(労働者側・使用者側の両方。労働審判を含む)は、60件以上となる。