弁護士コラム

第29回

『会計年度任用職員の退職代行』について

公開日:2024年10月8日

退職

弁護士法人川越みずほ法律会計の弁護士の清水隆久と申します。
退職代行をはじめて早いもので、数年が経ちました。その間、数多くの退職代行をした経験から、「これは」と思うことをコラムにします。

コラム第29回は、『会計年度任用職員の退職代行』についてコラムにします。

会計年度任用職員とは令和2年から導入された非常勤の地方公務員になりますが、最近では、会計年度任用職員の方からの退職のご相談が増えております。そこで、今回は、退職の現状をお伝えしつつ、コラムにしていきます。最近では、週に2回更新しております。

では、内容に入ります。

目次

1.会計年度任用職員について

会計年度任用職員には、1会計年度(4月1日から3月末日)を超えない範囲内で置かれる非常勤の職で、フルタイム職員の方とパートタイム職員の方がいます。職種は様々で、事務・窓口業務、保育園等職員、学校・幼稚園等職員、資格・免許職(保健師や看護師、学芸員、社会福祉主事や図書館司書など、資格や免許を必要とする職種)その他専門職(資格や免許は必須ではないものの、相談員や公民館の社会教育事業運営など、専門的な知識や経験が必要な職種)、技能労務職(道路や公園等の維持管理、保育園や学校以外で勤務する調理員などの職種)なとがあります。

2.会計年度任用職員の退職について

会計年度任用職員に関する採用については、総務省が公表している指針で詳しく解説されているものの「退職」に関しては、各自治体によって、定められている会計年度任用職員の任用等に関する規則で定められています。その各自治体の規則を読むと、原則30日前に退職を申し出る規則や10日前に退職を申し出る規則や事前の申出を定めていない規則もあり様々な規定となっています。

ただ、共通しているのは、会計年度任用職員は、任期満了日前に自己都合により退職する場合は、任命権者に退職願を提出し、その承認を受けなければならないとされています。すなわち、退職の「承認」が得られれば問題ない訳です。

3.まとめ

実際、私の方で会計年度任用職員の退職代行を行った際には、年次休暇があれば、年次休暇は消化するものの、その退職代行は「即日退職」になっています。すなわち、退職通知した日が退職日になっていますし、退職通知する段階から出勤はしていませんので、精神的に限界な方でも、安心して相談ください。

また、弁護士が代理人となりますので、一度も、職場と電話や面談をするケースもありません。
会計年度任用職員の方で、お悩みの際には、私まで遠慮なくご相談ください。力になります。

(参考条文)
(会計年度任用職員の採用の方法等)
地方公務員法 第22条の2


次に掲げる職員(以下この条において「会計年度任用職員」という。)の採用は、第十七条の二第一項及び第二項の規定にかかわらず、競争試験又は選考によるものとする。

❶ー①
一会計年度を超えない範囲内で置かれる非常勤の職(第二十二条の四第一項に規定する短時間勤務の職を除く。)(次号において「会計年度任用の職」という。)を占める職員であって、その一週間当たりの通常の勤務時間が常時勤務を要する職を占める職員の一週間当たりの通常の勤務時間に比し短い時間であるもの

❶ー②
会計年度任用の職を占める職員であって、その一週間当たりの通常の勤務時間が常時勤務を要する職を占める職員の一週間当たりの通常の勤務時間と同一の時間であるもの


会計年度任用職員の任期は、その採用の日から同日の属する会計年度の末日までの期間の範囲内で任命権者が定める。


任命権者は、前二項の規定により会計年度任用職員を採用する場合には、当該会計年度任用職員にその任期を明示しなければならない。


任命権者は、会計年度任用職員の任期が第二項に規定する期間に満たない場合には、当該会計年度任用職員の勤務実績を考慮した上で、当該期間の範囲内において、その任期を更新することができる。


第三項の規定は、前項の規定により任期を更新する場合について準用する。


任命権者は、会計年度任用職員の採用又は任期の更新に当たつては、職務の遂行に必要かつ十分な任期を定めるものとし、必要以上に短い任期を定めることにより、採用又は任期の更新を反復して行うことのないよう配慮しなければならない。


会計年度任用職員に対する前条の規定の適用については、同条中「六月」とあるのは、「一月」とする。

弁護士法人川越みずほ法律会計の紹介

いち早く退職代行を手掛け、今までも多数の相談及び解決事例があります。
今回、その中でもご質問が多いご相談事項をコラム形式でまとめました。

この記事の執筆者

弁護士清水 隆久

弁護士法人川越みずほ法律会計 代表弁護士

埼玉県川越市出身

城西大学付属川越高校卒業、中央大学法学部法律学科卒業、ベンチャー企業経営、労働保険事務組合の理事、社会保険労務士事務所の代表を経て、予備試験合格、司法試験合格、司法修習終了後、弁護士法人川越みずほ法律会計を設立、同弁護士法人代表に就任。労務・税務・法律・経営の観点から、企業法務に関わる傍ら、東から西へと全国を飛び回る。社会保険労務士時代に得た労働社会保険諸法令の細かな知識を活かし、かゆい所に手が届く退職代行サービスを目指して日々奮闘中。2019年に携わった労働事件(労働者側・使用者側の両方。労働審判を含む)は、60件以上となる。