弁護士コラム
第63回
『弁護士による退職代行と失業保険給付金サポートが最大100万円が受け取れるは本当か!?』について
公開日:2025年1月6日
退職
弁護士法人川越みずほ法律会計の弁護士の清水隆久と申します。
退職代行をはじめて早いもので、数年が経ちました。その間、数多くの退職代行をした経験から「これは」と思うことをコラムにします。
コラム第63回は『弁護士による退職代行と失業保険給付金サポートが最大100万円が受け取れるは本当か!?』についてコラムにします。
5分程度で読める内容になっています。このコラムが2025年2回目のコラムになります。
2025年も弁護士法人川越みずほ法律会計をお願いします。
目次
1.失業保険給付金サポートについて
最近、退職時の給付金サポートが盛んになってきています。私の方にも、これは本当ですかというご質問も多くもらいます。
制度としては、失業給付を使うので、受けとれますが、100万円受けとることができるかは失業保険の所定給付日数次第となります。
退職時の給付金サポートについて、コラム第60回、第62回に引き続きコラム第63回では『失業保険給付金サポート』に焦点をあてて解説します。より簡単にわかり易くコラムにします。
・関連コラム
第60回 『弁護士の退職代行と退職時の給付金が最大200万円?』について
第62回 『弁護士による退職代行と社会保険給付金サポートが最大500万円が受け取れるは本当か!?』について
2.特定理由離職者について
まず、失業保険給付金サポートは雇用保険の特定理由離職者の制度を使います。特定理由離職者とは、特定受給資格者以外の者であり、期間の定めのある労働契約が更新されなかったなどの要因で離職した人が該当します。病気やケガなどの正当な理由があり離職した方も、特定理由離職者の対象となります。
ただ、現在ご相談を受けるケースで、ほとんどのケースは病気やケガなどを理由に退職される方が特定理由離職者にあたります。その病気やケガなどでも、適応障害、うつ病、抑うつ状態での理由を主にしている方がとても多いです。
特定理由離職者のポイントは、①失業給付の所定給付日数が一般の退職者より日数が増えます。年齢と加入期間で所定給付日数は変わりますが、90日から330日になります。②支給制限期間の2ヶ月はありません。待機期間7日のみになります。タイムリーな失業給付がされますので、退職後、最短で支給されるため②からするとおすすめです。
次に特定理由離職者の給付のポイントとしては、
❶退職日までに、医療機関で診察を受けること
❷適応障害、うつ病、抑うつ状態の診察は、『心療内科』で受診すること
❸診断書は受診後最短で入手すること(但し、退職日以降の取得で構いません)
❹給付は、申請後、1ヶ月後になるため、離職票が会社から送られてきたら、すぐに住所地のハローワークに行くこと
があります。
また、診断書を取得するにあたってのポイントとしては、自宅療養の期間が必要であることや、労務不能期間を1ヶ月程度にすること、になります。
具体的に解説すると、あくまでも失業給付は、労働のできる状態にあることが必要となりますので、仮に、診断書の労務不能期間を3ヶ月にすると、失業保険給付自体を受けることができなくなります。したがって、診断書の労務不能期間は1ヶ月程度がおすすめになります。
3.退職代行時のポイントのまとめ
私が退職代行する際には、退職後、スムーズに特定理由離職者に該当させるため、仮に、有給残日数がない場合でも、退職代行したその日を退職日とする即日退職にするのではなく、民法第627条第1項により、最低でも、退職代行したその日から14日経過後を退職日にするようにします。
繰り返しになりますが、特定理由離職者に該当させるためには、退職日までに、心療内科に受診する必要があります。仮に、退職代行したその日を退職日にする即日退職にしてしまった場合には、心療内科に受診する時間がなくなり、特定理由離職者にあたるための『診断書』を用意することができません。退職日については、ご注意ください。
なお、最近では、心療内科の受診の予約が取れないため、私は、オンラインでの診療をお勧めします。予約が取れない場合でも、諦めずに、googleやyahooの検索サイトで、心療内科 オンラインで検索してください。私の方にお声がけいただきましたら、心療内科の医療機関をご紹介することも可能です。お困りでしたら、ご相談ください。きっと楽になります。
弁護士法人川越みずほ法律会計の紹介
いち早く退職代行を手掛け、今までも多数の相談及び解決事例があります。
今回、その中でもご質問が多いご相談事項をコラム形式でまとめました。
この記事の執筆者
弁護士清水 隆久
弁護士法人川越みずほ法律会計 代表弁護士
埼玉県川越市出身
城西大学付属川越高校卒業、中央大学法学部法律学科卒業、ベンチャー企業経営、労働保険事務組合の理事、社会保険労務士事務所の代表を経て、予備試験合格、司法試験合格、司法修習終了後、弁護士法人川越みずほ法律会計を設立、同弁護士法人代表に就任。労務・税務・法律・経営の観点から、企業法務に関わる傍ら、東から西へと全国を飛び回る。社会保険労務士時代に得た労働社会保険諸法令の細かな知識を活かし、かゆい所に手が届く退職代行サービスを目指して日々奮闘中。2019年に携わった労働事件(労働者側・使用者側の両方。労働審判を含む)は、60件以上となる。