弁護士コラム

第64回

『弁護士による退職代行と内容証明郵便』について

公開日:2025年1月6日

退職

弁護士法人川越みずほ法律会計の弁護士の清水隆久と申します。

退職代行をはじめて早いもので、数年が経ちました。その間、数多くの退職代行をした経験から「これは」と思うことをコラムにします。

コラム第64回は『弁護士による退職代行と内容証明郵便』についてコラムにします。

5分程度で読める内容になっています。このコラムが2025年3回目のコラムになります。

2025年も弁護士法人川越みずほ法律会計をお願いします。

目次

1.弁護士による退職代行のメリットについて(内容証明郵便を使います)

弁護士による退職代行のメリットというのは何かと言えば、退職通知書を内容証明書郵便で送付することにあります。

まず、内容証明郵便とは①相手方に退職代行した際の退職通知が到達したことがわかり、②会社側が退職通知の内容を見たか見なかったに関わらず、退職通知書の内容まで証明できる通知方法になります。内容証明郵便で退職通知書を送ることで、会社側が文書の内容を見てないので、退職についで知りませんとは言えなくなります。

民法第627条第1項によれば、退職の意思が会社に到達してから14日経てば退職になります。普通であれば、退職通知をしてから14日が経てば退職になるので、弁護士以外の退職代行会社や労働組合系の退職代行会社が『退職代行』をするにあたっては、内容証明郵便での形で、退職通知書(受任通知書)を送る業者は令和7年1月6日現在のところ私の方で調査しましたがいません。

したがって、最近では、退職代行会社や労働組合系の退職代行会社で退職できないため、私の方に、ご相談を貰うケースが増えています。

最近では、退職代行会社や労働組合系の退職代行会社より安い価格で退職代行を提供している弁護士事務所も増えましたので、あえて退職代行会社や労働組合系の退職代行会社に退職代行を依頼するメリットはありません。お困りでしたら、弁護士である私までご相談ください。力になります。内容証明郵便で退職通知書(受任通知書)を送りますので、最適なアドバイスをします。

2.退職代行時にトラブルになりやすい職種について

次に、退職代行時に退職通知書(受任通知書)を内容証明郵便で送ることがおすすめの職種について解説します。逆に言えば、退職代行時にトラブルになりやすい職種であると言えます。今回、私の方で保有している数十万社のリストからピックアップします。

1 歯科医院
2 放課後等デイサービス
3 運送業
4 建設業
の4業種に絞ります。

まず、1から4の職種とも圧倒的に『人手が不足しています』ことがあげられるます。退職代行した際に、 FAX一本(1枚)だけで退職通知書を送るだけでは、会社側からは、FAXの内容を見ていないと言われてしまうケースが多くあります。

FAXの内容を見ていないなら、退職の意思を会社側に到達していないので、そもそも退職することができません。最悪、無断欠勤により、損害賠償請求や懲戒解雇されるリスクが格段に増えます。

1から4の業種については、ほとんどのケースで内容証明郵便での退職通知(受任通知)が必要となります。内容証明郵便を使わない退職代行会社や労働組合系の退職代行会社に退職代行を依頼するのはやめた方が良いです。退職代行は弁護士に依頼するべき職種と言えます。

歯科医院(1)の院長は、普段は診療や治療に従事しているケースも多く、退職手続きをすること自体が遅れがちになりますし、退職代行時の電話対応を院長自身がするケースもほとんどありません。退職代行会社や労働組合系の退職代行会社も歯科医院での退職代行に苦難しているの姿が目に浮かびます。

放課後等デイサービス(2)では、人員要件に厳しく一人退職することに減算されることが多く、在籍させること自体が目的になります。したがって、退職通知自体を無視するケースも多くありますので、内容証明郵便で退職通知書(受任通知書)を送る必要性が高いと言えます。無断欠勤に伴う損害賠償も多い職種と言え、退職代行にあたっては注意が必要です。

運送業(3)については、その日の配送ルートが決まっており、一人抜けることで「事実上」その日の配送ができないこともあり、退職者が業務中に、車両をぶつけているケースも多くあります。運送業もFAX一枚(1本)で、退職が決まることが少ない業種です。

建設業(4)自体では、もともと一人親方制度が認められており、親方気質な社長(代表)も多く、法律よりも「筋を通せ」を要求する場合が多くある職種です。FAX一枚(1枚)で、退職ができるケースもほとんどないと言えます。

3.まとめ

今回は、退職代行する際に、退職通知書(受任通知書)を内容証明郵便で送る場合について焦点をあてて解説しました。

弁護士法人川越みずほ法律会計を勝手に評価している口コミサイトやgoogleの口コミで、FAX一枚(1枚)で終わりにしている事務所のような表現を使って評価している方もいるようですが、私の方では、数十万ある会社データに基づき退職通知書(受任通知書)を内容証明郵便で送っていますので、そのような口コミ自体がおかしいですし『虚偽』だと考えています。

また、退職代行にあたっては、有給消化日数が多くあるケースもあり、FAX一枚(1枚)では、内容を見ていないと言われた場合には、退職通知書(受任通知書)の法的証拠価値がないものになります。

仮に裁判になっても、FAX一枚(1枚)を送った事実だけでは、証拠として使えません。有給消化を拒否したケースで法的手段を見据えた場合でも、内容証明郵便での送付した退職通知書(受任通知書)が必要となります。

有給残日数が多いケースの退職代行にあたっては、内容証明郵便で送るようにおすすめします。
迷った場合には、弁護士である私までご相談ください。力になります。

弁護士法人川越みずほ法律会計の紹介

いち早く退職代行を手掛け、今までも多数の相談及び解決事例があります。
今回、その中でもご質問が多いご相談事項をコラム形式でまとめました。

この記事の執筆者

弁護士清水 隆久

弁護士法人川越みずほ法律会計 代表弁護士

埼玉県川越市出身

城西大学付属川越高校卒業、中央大学法学部法律学科卒業、ベンチャー企業経営、労働保険事務組合の理事、社会保険労務士事務所の代表を経て、予備試験合格、司法試験合格、司法修習終了後、弁護士法人川越みずほ法律会計を設立、同弁護士法人代表に就任。労務・税務・法律・経営の観点から、企業法務に関わる傍ら、東から西へと全国を飛び回る。社会保険労務士時代に得た労働社会保険諸法令の細かな知識を活かし、かゆい所に手が届く退職代行サービスを目指して日々奮闘中。2019年に携わった労働事件(労働者側・使用者側の両方。労働審判を含む)は、60件以上となる。