弁護士コラム

第83回

『人事担当者必見!退職代行が増えた理由』について

公開日:2025年2月26日

退職

弁護士法人川越みずほ法律会計の弁護士の清水隆久と申します。

退職代行を専門的にはじめて早いもので、数年が経ちました。

その間、数多くの退職代行をした経験から「これは」と思うことをコラムにします。

コラム第83回は『人事担当者必見!退職代行が増えた理由』についてコラムにします。

目次

1.退職代行が増えた理由

まず近年、メディアを通じて退職代行が増えたと言われていますが、果たして、退職代行は増えているでしょうか?

あるメディアは5人に1人が退職代行を使ったことがあると発表していました。弁護士法人川越みずほ法律会計では、退職代行をはじめた当初から毎月の受任件数に変動はありませんが、これだけ退職代行会社が増えても受任件数に変動がないことから考えると、全体としては、退職代行を利用する方は増えていると考えています。

次に、退職代行が増えたとする理由は、退職代行会社の宣伝によるところが多いと考えます。20代がSNSを通じて退職代行という退職方法を知り、手軽で便利な退職方法と認識のもと、退職代行に依頼しているようです。

さらに、その依頼時に、私の方でヒアリングした退職代行を行う理由として多いものとしては、①退職手続きがわからない、②会社の仕事が合わないと感じた、③将来を考えたときに長く続けるものではないと思った、という理由がほとんどです。

②③は退職代行を使う直接的な理由ではなく、①退職手続きがわからない、という理由に注目すべきだと考えます。20代が退職するにあたっては、退職ということを重大な出来事だと捉えています。その重大な出来事として、失敗があったり、トラブルがあったりしたくはないために、退職代行会社に依頼する流れになっています。

そこで、人事担当者としては、❶退職手続きの流れについて明確にすべきだと思います。流れを明確にするだけで、退職時の予測が立ちますので、退職に関してストレスを感じなくて済むだけで、退職代行によって退職手続きをとる方は随分減るのではないかと私は思っています。

また、❷退職にあたっては、失敗やトラブルにならない方法を普段から周知すべきだと考えています。退職代行についてお悩みの人事担当者の方がいらっしゃいましたら遠慮なく私までご相談ください。普段、退職代行をしている弁護士であるからアドバイスできることも多くあります。

2.まとめ

現在、退職代行を使う側を批判する風潮があります。また、自分で退職の意思を伝えるのが筋だと人事担当者は強く言います。しなしながら、退職代行を使う理由を分析してみると、退職手続きを知らないことが一番の理由になっています。

人事担当者としては、その理由を知った上で、退職代行に対して事前の対策をとることをおすすめします。お困りの際には、私まで遠慮なくご相談ください。

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この記事の執筆者

弁護士清水 隆久

弁護士法人川越みずほ法律会計 代表弁護士

埼玉県川越市出身

城西大学付属川越高校卒業、中央大学法学部法律学科卒業、ベンチャー企業経営、労働保険事務組合の理事、社会保険労務士事務所の代表を経て、予備試験合格、司法試験合格、司法修習終了後、弁護士法人川越みずほ法律会計を設立、同弁護士法人代表に就任。労務・税務・法律・経営の観点から、企業法務に関わる傍ら、東から西へと全国を飛び回る。社会保険労務士時代に得た労働社会保険諸法令の細かな知識を活かし、かゆい所に手が届く退職代行サービスを目指して日々奮闘中。2019年に携わった労働事件(労働者側・使用者側の両方。労働審判を含む)は、60件以上となる。