
弁護士コラム
第86回
『人事担当者必見!退職代行コンサルティング(1)』について
公開日:2025年2月28日
退職
弁護士法人川越みずほ法律会計の弁護士の清水隆久と申します。
退職代行を専門的にはじめて早いもので、数年が経ちました。
その間、数多くの退職代行をした経験から「これは」と思うことをコラムにします。
コラム第86回は『人事担当者必見!退職代行コンサルティング(1)』についてコラムにします。

目次
1.退職代行を防ぐ為には
最近、あるメディアが5人に1人が退職代行を使ったことがあるという統計を発表していました。また、20代が一番退職代行を使っているとも発表していました。
先日、私がカフェにいたところ、隣の席で3人の方が何やら人材確保について話し合った上で、最後に「退職代行で辞められる危険性もあるから、どうにか考えないと」と話し合っていました。あまりにも大きな声であったので、自然と聞こえてきました。
最近の経営課題として、退職代行を如何に予防するかということが各社で議題になっていることを象徴する出来事だと思いましたので、こちらに記載させていただきました。今回、私の見解をコラムにしたいと思いますが、あくまでも、私の見解ですので、他のご意見も出てくると思います。また、私の一方的な意見になるかもしれませんが、何かの気付きになればと思います。
退職代行を防ぐ最大の方法は、会社の売上をあげ、会社の経営状態を良くし、会社の経営を安定させることが一番重要です。
まず、20代以外の世代に退職代行を依頼する多くの理由としては、会社の雰囲気が悪いという理由があげられます。会社の雰囲気が悪くなる原因としては、会社利益が確保されていないが為にギリギリの人数で業務を回したり、上の経営上層部が下に対して無理な利益目標を課したりなどがあげられます。
仮に、経営的な利益が安定して確保されていれば、余裕をもった人材の採用を行うことができ、余裕をもった採用から教育が可能となります。また、上からの売上目標も現状的な数字であったりなど、それだけで社内の雰囲気は良くなります。結果的に、退職代行を事前予防できます。一度、退職代行を受けた会社としては、社内の雰囲気が悪くなっていないか、を検証することをおすすめします。
次に、退職代行を依頼した理由としては、労働した時間の賃金がもらえないという理由があげられます。例えば、タイムカードの時間管理する記録媒体が導入されていない会社であったり、30分単位での時間計算をして、30分未満は全て切り捨てる会社であったりなどの実情をヒアリングします。
最近の大手は、時間管理は全て1分単位で行っておりますので、働く側にとって、1分単位で賃金を支払うのは、納得がいきやすいものと考えられます。1分単位の労働時間管理の導入を検討してください。さらに、固定残業代の導入も控えるべきだと考えます。固定残業代については、後から否定されたり、働く側としても、頭ではわかっていても、納得していないケースも多くあります。
また、退職代行を依頼する理由としては、働く側の賃金や労働条件が明確になっていない理由をよく聞きます。例えば、未だに、労働契約書を結んでなかったり、就業規則を開示をしていないなど、もし、労働契約書を結んでいなかったり、就業規則を開示していない場合には、その部分を改めるだけで、退職代行を受ける可能性が低くなります。
2.まとめ
今回は、数点ほど、退職代行を防ぐ方法をコラムにしました。退職代行を受けた企業としては、なぜ、どうして、と思うことも多いと思います。退職代行をした理由を聞いても本音はなかなか言いません。数多く退職代行した弁護士だからできるアドバイスもあります。
人事担当をご担当している方で、お悩みでしたら、遠慮なく私までご相談ください。力になります。
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弁護士法人川越みずほ法律会計の紹介
いち早く退職代行を手掛け、今までも多数の相談及び解決事例があります。
今回、その中でもご質問が多いご相談事項をコラム形式でまとめました。
この記事の執筆者

弁護士清水 隆久
弁護士法人川越みずほ法律会計 代表弁護士
埼玉県川越市出身
城西大学付属川越高校卒業、中央大学法学部法律学科卒業、ベンチャー企業経営、労働保険事務組合の理事、社会保険労務士事務所の代表を経て、予備試験合格、司法試験合格、司法修習終了後、弁護士法人川越みずほ法律会計を設立、同弁護士法人代表に就任。労務・税務・法律・経営の観点から、企業法務に関わる傍ら、東から西へと全国を飛び回る。社会保険労務士時代に得た労働社会保険諸法令の細かな知識を活かし、かゆい所に手が届く退職代行サービスを目指して日々奮闘中。2019年に携わった労働事件(労働者側・使用者側の両方。労働審判を含む)は、60件以上となる。