弁護士コラム

第89回

『休職代行と退職代行の関係』について

公開日:2025年3月7日

退職

弁護士法人川越みずほ法律会計の弁護士の清水隆久と申します。

退職代行を専門的にはじめて早いもので、数年が経ちました。

その間、数多くの退職代行をした経験から「これは」と思うことをコラムにします。

コラム第89回は『休職代行と退職代行の関係』についてコラムにします。

目次

1.職代行と退職代行の関係について

休職代行とは、休職手続きを代理で弁護士が行うことを言います。休職の意思を伝えることは大事ですが、休職手続きについては定期的なやりとりが必要であり、また、就業規則の読み込みも必要なことから、退職代行会社や労働組合系の退職代行会社が行うのは現実的ではありません。

実際に会社側から弁護士以外は代理で手続きすること自体を拒否されてしまい、途中から私が休職代行しているケースも多くあります。休職の代理手続きは、弁護士に依頼するようにしましょう。ただ、現状、休職代行をしている弁護士事務所は少ないため、お困りでしたら、私までご相談ください。力になります。

次に、休職とは、休職後、復職することを前提に認められている制度ですので、予め退職の意思を伝える退職代行と同時にすることはできません。また、予め退職の意思を確定した上で、休職手続きの依頼をすることは法的には認められていません。

もっとも、もしかしたら復職できずに、退職する可能性もあるかもしれないという程度の認識であれば、休職手続きすることも法律上認められると考えます。退職代行と休職代行のどちらにすれば良いかなど、お困りでしたら、私までご相談ください。

今までも、休職代行した後、しばらくお休みに入った段階で治療や療養をしていたものの、復職できずに退職代行に切り替えて退職するケースも多くありますので、当初は休職代行をした上でやむを得ず退職代行もあり得る場合には遠慮なく私までご相談ください。スムーズに休職手続きや退職手続きを取るようにします。

休職代行については今までもコラムをあげていますので、過去のコラムについても参照頂けると幸いでございます。

・参考コラム

第4回『休職代行』

第24回『弁護士による休職代行』について

第46回『公務員のための休職代行』について

第85回『休職期間中の退職代行』について

第88回『休職代行のメリットと理由』について

2.まとめ

休職代行と退職代行の順番などは当たり前なようで明確に書いている解説もないことから今回コラムにしてみました。休職代行→退職代行の手続きの際には、休職の段階で明確な退職の意思をお持ちである場合には、法律上、休職手続きは認められません。

ただ、結果的に、復職できず、退職代行を依頼して退職するのであれば法律上休職手続きは、認められるものと考えられます。休職代行について、お困りでしたら、遠慮なく私までご相談ください。

弁護士法人川越みずほ法律会計の紹介

いち早く退職代行を手掛け、今までも多数の相談及び解決事例があります。
今回、その中でもご質問が多いご相談事項をコラム形式でまとめました。

この記事の執筆者

弁護士清水 隆久

弁護士法人川越みずほ法律会計 代表弁護士

埼玉県川越市出身

城西大学付属川越高校卒業、中央大学法学部法律学科卒業、ベンチャー企業経営、労働保険事務組合の理事、社会保険労務士事務所の代表を経て、予備試験合格、司法試験合格、司法修習終了後、弁護士法人川越みずほ法律会計を設立、同弁護士法人代表に就任。労務・税務・法律・経営の観点から、企業法務に関わる傍ら、東から西へと全国を飛び回る。社会保険労務士時代に得た労働社会保険諸法令の細かな知識を活かし、かゆい所に手が届く退職代行サービスを目指して日々奮闘中。2019年に携わった労働事件(労働者側・使用者側の両方。労働審判を含む)は、60件以上となる。