弁護士コラム

第107回

『国家公務員の退職代行がおすすめな理由』について

公開日:2025年4月21日

退職

弁護士法人川越みずほ法律会計の弁護士の清水隆久と申します。

退職代行を専門的にはじめて早いもので、数年が経ちました。

その間、数多くの退職代行をした経験から「これは」と思うことをコラムにします。

コラム第107回は『国家公務員の退職代行がおすすめな理由』についてコラムにします。

最近では、比較的、入職から退職までの期間が短い国家公務員の方からの退職代行のご相談が増えています。

退職代行のご相談時に精神的に限界なケースでは、退職代行ではなく、病気休暇の代行に切り替えて受任するケースも増えています。

今回は、国家公務員の退職代行をはじめに解説し、最後に病気休暇についても解説します。

目次

1.国家公務員の退職代行について

例えば、厚生労働省、法務省、防衛省、文部科学省、財務省、国土交通省などにお勤めの方は、国家公務員にあたりますが、退職については何日前に退職の申し出をするなどの規定がありませんので、退職代行をしたその日(退職代行の連絡をしたその日)を退職とする即日代行も理論的には可能です。

また、実際にも過去、年次休暇が残っていないために、即日退職の交渉をして、『即日退職』になっています。

最近では、国家公務員の方から即日退職のご相談やご依頼を受けることもあります。もっとも、私がおすすめな退職代行の方法としては、年次休暇を消化しつつ、年次休暇をしたその日をもって退職日とする退職代行をおすすめします。

その際、賃金の締日と支給日のご相談を受けるケースも多くありますので、今回のコラムでご回答をします。

国家公務員の給与支給日については、人事院規則によって16日・17日・18日のいずれかに定められています。例えば、自衛官の退職代行でよく質問される防衛省は、毎月18日が給与支給日になります。

次に、刑務官などは、法務省になりますので、毎月16日支給になります。仮に、16日が土日祝にあたる場合には、前日になります。

さらに、給与は、月末締めの先払い16日になりますので、年次休暇を月末まで消化できれば、16日の給与については返金処理が不要になります。

国家公務員や地方公務員の場合には、仮に月の途中で退職した場合には、一度、満額支給された後、差額の給与を返金処理とします。なかなかわかり難いため、今回のコラムでご紹介しました。お困りでしたら、私までご相談下さい。

2.賞与支給時期について

次に、この時期からご質問が多くなりますので、賞与支給についてご回答します。

まず、国家公務員、地方公務員問わず、公務員の方は、6月1日、12月1日に在籍していれば、支給日に在籍していなくとも、賞与は支給されます。賞与の在籍要件は民間企業とは異なり、支給日に退職していたとしても支給されます。

また、6月1日の1ヶ月前の5月1日に在籍していた場合でも、減額された賞与が支給されます。12月1日の1ヶ月前の11月1日に在籍した場合も同様に、減額された賞与が支給されます。

賞与の運用は繰り返しになりますが、刑務官(法務省)だけでなく、自衛官(防衛省)、県立高校の教職員、市町村役場職員、警察官、公立病院にお勤めの看護師の方、その他一切の公務員が同じになります。国家公務員、地方公務員は賞与の扱いについては共通しています。

3.退職願は依頼者に記入してもらいます

今回のコラムでは、弁護士に退職代行を弁護士に依頼するメリットについても紹介します。

国家公務員の方が弁護士に依頼することで、職場の方と一切のやりとりが不要となりますので、退職に関して丸投げしていただくことが可能です。

退職願を書いてもらうことはご自身で記入して貰いますが、退職願の所定の様式も私の方で取り寄せしますし、私物、貸与品の調整なども私の方で行います。

4.育児休業給付金について

さらに、最近では、育児休暇取得中の国家公務員の方からもご質問を受けます。

今回は、簡単にご説明しますが、国家公務員の方が育児休業給付金を受給できるのは退職の意思を伝えた日までになりますので、退職の意思を伝える退職代行については、弁護士から連絡を入れるタイミングもとても重要になってきます。

5.病気休暇取得について(まとめ)

国家公務員の方が体調を崩してしばらく休みを取りたいというご相談を受けるケースが多くなっています。入職から短い国家公務員の方でも病気休暇を取得することも可能ですので、体調不良にてしばらく休み方は遠慮なく私までご相談ください。

また、病気休暇を取得するにあたって職場とやりとりしたくないなどのご希望がありましたら、私の方で病気休暇取得の代理手続きをとることができます。

病気休暇取得についてわからないことがありましたら、遠慮なく私までご相談ください。病気休暇の取得にあたっては、診断書の取り方が重要となってきます。

今回のコラムでは簡単に説明しますが、病気休暇の診断書は、①傷病名、②いつからいつまで休暇をとる必要があるかなど、明確に期間を書く必要があります。病気休暇は、勤務日数で90日取得できますので、暦日に直すと4ヶ月程度は休みをとることができます。

最近では、適応障害、うつ病を原因として病気休暇を取得することが多くなっています。病気休暇についても退職代行と同様に、代理人がつくことで職場とやりとりが不要になりますので、ご興味がありましたら、遠慮なく私までご相談ください。力になります。

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弁護士法人川越みずほ法律会計の紹介

いち早く退職代行を手掛け、今までも多数の相談及び解決事例があります。
今回、その中でもご質問が多いご相談事項をコラム形式でまとめました。

この記事の執筆者

弁護士清水 隆久

弁護士法人川越みずほ法律会計 代表弁護士

埼玉県川越市出身

城西大学付属川越高校卒業、中央大学法学部法律学科卒業、ベンチャー企業経営、労働保険事務組合の理事、社会保険労務士事務所の代表を経て、予備試験合格、司法試験合格、司法修習終了後、弁護士法人川越みずほ法律会計を設立、同弁護士法人代表に就任。労務・税務・法律・経営の観点から、企業法務に関わる傍ら、東から西へと全国を飛び回る。社会保険労務士時代に得た労働社会保険諸法令の細かな知識を活かし、かゆい所に手が届く退職代行サービスを目指して日々奮闘中。2019年に携わった労働事件(労働者側・使用者側の両方。労働審判を含む)は、60件以上となる。