弁護士コラム

第20回

「自衛官の懲戒処分待ちの退職代行」について

公開日:2024年8月28日

退職

弁護士法人川越みずほ法律会計の弁護士の清水と申します。
退職代行をはじめて早いもので、数年が経ちました。その間、数多くの退職代行をした経験から、「これは」と思うことをコラムにします。

さて、コラム第20回は、「自衛官の懲戒処分待ちの退職代行」について書きたいと思います。
最近の自衛官の退職代行(懲戒処分待ち)で2番目にご相談が多いのでコラムにしました。
懲戒処分待ちの自衛官の方でなかなか退職できない方にとっては、興味のある内容だと思います。
5分程度で読めますので、お付き合いください。

退職代行の相談の中で懲戒処分待ちの自衛官の方からのご相談が多いです。
確かに懲戒の処分が出るまでは退職手続きは進みません。
しかしながら、退職代行をするにあたっては、懲戒処分を早めてもらう交渉を同時にします。
懲戒処分待ちの退職代行にあたっては、退職の交渉よりも処分を早めることが主な交渉になります。
自衛隊法第40条に退職について規定されています。

自衛隊法

(退職の承認)
第40条  第31条第1項の規定により隊員の退職について権限を有する者は、隊員が退職することを申し出た場合において、これを承認することが「自衛隊の任務の遂行に著しい支障を及ぼすと認めるとき」は、その退職について政令で定める特別の事由がある場合を除いては、任用期間を定めて任用されている陸士長等、海士長等又は空士長等にあつてはその任用期間内において必要な期間、その他の隊員にあつては自衛隊の任務を遂行するため最少限度必要とされる期間その退職を承認しないことができる。

すなわち、懲戒処分が出るまでは、上記の自衛隊の任務の遂行に著しい支障を及ぼすと認めるときにあたるため、退職することができません。

そこで、私としては、懲戒処分を早めることで、いち早く退職にもっていくようにします。

懲戒処分は、処分の内容によって異なりので、担当の弁護士にご相談ください。
一般的には、数ヶ月から6ヶ月かかる場合が多いです。

過去には、飲酒や喫煙をした服務規律違反で処分を受けた事案で4名同時に退職代行にて退職させたケース

窃盗罪の嫌疑があったケースで懲戒処分を早めて退職させたケース

などがあります。

営内にお住まいの方であれば、懲戒処分待ちの場合には、外出制限もかかっている場合も多くありますので、外出許可の交渉も同時に受けることも多く、処分待ちの際には、年次休暇消化をしつつ待つ場合が多いです。
精神的に勤務することが難しい場合にも、私までご相談ください。力になります。

補足になりますが、懲戒処分待ちの場合には、懲戒処分日と同時の日にちで退職または、懲戒処分の次の日が退職日になることが多いです

弁護士法人川越みずほ法律会計の紹介

いち早く退職代行を手掛け、今までも多数の相談及び解決事例があります。
今回、その中でもご質問が多いご相談事項をコラム形式でまとめました。

この記事の執筆者

弁護士清水 隆久

弁護士法人川越みずほ法律会計 代表弁護士

埼玉県川越市出身

城西大学付属川越高校卒業、中央大学法学部法律学科卒業、ベンチャー企業経営、労働保険事務組合の理事、社会保険労務士事務所の代表を経て、予備試験合格、司法試験合格、司法修習終了後、弁護士法人川越みずほ法律会計を設立、同弁護士法人代表に就任。労務・税務・法律・経営の観点から、企業法務に関わる傍ら、東から西へと全国を飛び回る。社会保険労務士時代に得た労働社会保険諸法令の細かな知識を活かし、かゆい所に手が届く退職代行サービスを目指して日々奮闘中。2019年に携わった労働事件(労働者側・使用者側の両方。労働審判を含む)は、60件以上となる。